【嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか】鈴木 忠平

嫌われた監督

抜き書き

野球という団体スポーツにあって、落合のチームはひたすら個を追求していく。それは一見すると選手にとって理想の環境に映るのだが、いざその状況に身を置いてみると決して楽園などではないことがわかった。むしろ逃げ場のない地獄であるといえた。

福留は直感的にわかっていた。落合は好きだとか嫌いだとか、そうした物差しの埒外で生きている人間だ。

落合は勝ちすぎたのだ。勝者と敗者、プロフェッショナルとそうでないもの、真実と欺瞞、あらゆるものの輪郭を鮮明にし過ぎたのだ。

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