概要
松山中学在任当時の体験を背景とした初期の代表作。
物理学校を卒業後ただちに四国の中学に数学教師として赴任した直情径行の青年“坊っちゃん”が、周囲の愚劣、無気力などに反撥し、職をなげうって東京に帰る。
主人公の反俗精神に貫かれた奔放な行動は、滑稽と人情の巧みな交錯となって、漱石の作品中最も広く愛読されている。(Amazonより)
推しポイント
ひょっとしてギャグなのか?
冒頭からいきなり暴言が出てきて笑う。
勘太郎は無論弱虫である。
そして最後までずっと、悪口のオンパレード。
常にケンカ腰の語り口が推しポイントの一つか。
もしや、当時はギャグ漫画的な小説だったのでは?
そういえばこいつ教師だった
こんな奴が教師をやるとどうなるか?
しかしこんな田舎者に弱身を見せると癖になると思ったから、なるべく大きな声をして、少々巻き舌で講釈してやった。
教師だろうが生徒だろうが、田舎者を馬鹿にしていく。
その後の成り行きは、自業自得なのでは…?
そりゃそうなるよ
案の定、生徒を敵に回すよね。
何だか生徒全体がおれ一人を探偵しているように思われた。くさくさした。
「くさくさ」したって漱石の造語かな。
今では普通に使われている言葉で、夏目漱石の造語が結構あるらしい。
「反射」「無意識」「価値」などなど(諸説あり)。
良い人は生きにくい
これは、その通りかもしれない。
考えてみると世間の大部分の人はわるくなる事を奨励しているように思う。わるくならなければ社会に成功しないものと信じているらしい。
良い人だと「損」することがあるのは確か。
悪いことした「得」が本当に得なのかは分からないけどね。
義理が大切
「義理」の意味を調べてみた。
【物事の正しい筋道。また、人として守るべき正しい道。】
履歴なんか構うもんですか、履歴より義理が大切です。
自分の職歴・経歴より、人として歩む道の方が大切。
実践できる人はあまりいない。
まとめ
漱石の近代化の日本に対する考えなど、
いろいろな解釈があるが、物語として面白い。
義理(物事の正しい筋道)を貫く坊っちゃんの強さがいい。
でも、結局は負けて東京へ戻る。
悪くならなければ成功しない世の中。
正直で不器用な人が生き辛い世の中。
100年以上経っても変わってないな。