【人間失格】太宰 治

人間失格

抜き書き

つまり、わからないのです。

隣人の苦しみの性質、程度が、まるで見当がつかないのです。

(中略)

よく自殺もせず、発狂もせず、政党を論じ、絶望せず、屈せず生活のたたかいを続けていける

怒りでも無く、嫌悪でも無く、また、悲しみでも無く、もの凄まじい恐怖でした。

(中略)この世の営みに対する一さいの期待、よろこび、共鳴などから永遠にはなれるようになりました。

「あのひとのお父さんが悪いのですよ」

何気なさそうに、そう言った。

「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」

まとめ

葉蔵は大多数の人間よりも純粋で、繊細で、弱くて、優しかった。

それと同時に、生活をたたかう強さがなかったのか。

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